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Schiava

スキアーヴァ

スキアーヴァ (Schiava)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:スキアーヴァはトレンティーノ=アルト・アディジェ州、ロンバルディア州、ヴェネト州で栽培されている。主にアルト・アディジェで栽培されているGrossa(グロッサ)、Grigia(グリージャ)、Gentile(ジェンティーレ)とトレンティーノ、ロンバルディア、ヴェネトに普及しているNera(ネーラ)の2つのタイプに大別されている。1970年、イタリア全国ブドウ品種登録書に、ジェンティーレ、グリージャ、グロッサは単独の品種としてそれぞれ登録された。なかでもジェンティーレが一番普及している。
中世時代には大変多く栽培され、農業に関する論文の中で最も重要な品種のひとつとされていた。Schiavaとはイタリア語で奴隷の意を持つ。その由来は、13世紀頃他の木や棒に結びつけられるような低い仕立て方が主流となっていたため、「奴隷のようなブドウ」とみなされたというのが一つの説である。また、スラブ諸国からイタリアに到達したと信じる専門家も多く、Slave(スラブ)が語源だという説もある。
アルト・アディジェがオーストリアの一部だった時代はオーストリア最南部であり、ポピュラーな赤ワイン用のブドウ品種としてよく栽培されていた。イタリアに編入されてからはイタリアの中で最北の地となったことで、白ワイン生産のために多くが引き抜かれ白ブドウに植え替えられた。またこのような歴史的背景から、アルト・アディジェではいまでもドイツ語が公用語となっており、Schiavaは「Vernatsch」とドイツ語で表記されることも多い。

房:スキアーヴァ・ジェンティーレの房は中程度の大きさでピラミッド形、密着しておらず、岐肩をひとつ持つ。果粒は中サイズのほぼ球体型で、粒は不揃い。果皮は青紫色で、厚みは中程度で柔らかく、蠟質の白い粉で覆われている。収穫の時期は一般的に9月末~10月初旬。
スキアーヴァ・グリージャの房は中程度の大きさ、長めのピラミッド形でどっしりしている。ひとつ岐肩があることが多い。果粒も中サイズでほぼ球体型。果皮の厚みは中程度で柔らかく、色は青紫色だが、蠟質の白い粉が非常に多いため灰色がかっている。収穫の時期は一般的に9月末~10月初旬。
スキアーヴァ・グロッサの房は大きめの円筒形あるいは先端を欠いた円錐形。ひとつの岐肩を持ち、密着度は高い。果粒も大きめの長球型で、粒は不揃い。果皮は青みがかった黒色で、厚みは中程度で柔らかく、蠟質の白い粉で覆われている。収穫の時期は一般的に9月末~10月初旬。

葉:スキアーヴァ・ジェンティーレの葉は大きめで丸く、三裂しているか切れ目がない。葉の表面は光沢がなく濃い緑色。
スキアーヴァ・グリージャの葉の大きさは中程度で、五角形、三裂しているか切れ目がない。葉の表面は光沢がなくややでこぼこしており、濃い緑色をしている。裏面は薄緑色。
スキアーヴァ・グロッサの葉は大きめで、五角形で三裂している。葉の表面はでこぼこしており、光沢がない。

外観:澄んだ輝きのあるラズベリーレッド色中心で、濃淡は淡い傾向にある。粘性はやや弱め。若いヴィンテージでも(今回は2019年5月試飲で2017年ヴィンテージ中心だった)他品種と比べ相対的に紫の色調は弱い。
栽培面積(ヘクタール) スキアーヴァ・ジェンティーレは694ha、スキアーヴァ・グリージャは66ha、スキアーヴァ・グロッサは559ha。
シノニム スキアーヴァ・ジェンティーレはSchiava Piccola = Kleinvernatsch/Schiava Media = Mittervernatsch/Schiava Nobile= Edelvernatsch/Rothervernatsch、スキアーヴァ・グリージャはGrauvernatsch/Grauervernatsch、スキアーヴァ・グロッサはUva Meranese/Schiavone/Grossvernatsch/Großvernatsch/Trollinger/Frankenthal。
原産地呼称 DOC Alto Adige/DOC Trentino/DOC Lago di Caldaro/DOC Valdadige/DOC Terre del Colleoni/DOC Casteller/DOC Botticino/DOC Cellatica
ワインの特徴 スキアーヴァ・ジェンティーレは透明感のある鮮やかなルビー色。豊かな赤系果実の香りに、アーモンドやスミレのニュアンスもあり、長く持続する。柔らかく、タンニンもほどよく、全体的にバランスが取れている。心地よく、飲みやすい。
スキアーヴァ・グリージャはアーモンド、スミレのニュアンスも感じられる、熟した赤系果実のフルーティーな香り。ボディもほどよくあるが、決して硬さはない。タンニンも心 地よく、飲 みやすい喜ばしいワイン。
スキアーヴァ・グロッサは赤系果実のフレッシュな香りが漂い、口中はフレッシュでシンプルな味わい。他の2種に比べボディはやや軽めで、タンニンはより柔らかく、酸が高い。
香りの要素 第1アロマは赤系果実中心の香りで、イチゴ、チェリー、ラズベリー、木イチゴ、ザクロなど、新鮮な状態で感じられるものから、ジャムのように砂糖で煮詰めたような甘やかなトーンのものまで。時にハーブの香りやブドウ自体に由来すると思われるスパイスの香りも感じられる。第2アロマも豊富で、バラ、スミレといった花々、キャンディなど。やや熟成したものからは、紅茶、干し草、なめし革、樽熟成したものからは甘苦いスパイス香などの第3アロマをとることができる。全体的にスモーキーで、アーモンドのトーンを持つものもある。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Canederli(カネデルリ)/Speck(スペック)/Affumicati(燻製)/Pesce come Trota, Salmone(マスやサーモンなどの魚料理)/Primi piatti a base di carne bianca(白身肉を使ったプリモ・ピアット)。
ローストビーフ/豚ヒレ肉/七面鳥のシチュー/キノコ料理/リゾット/牛肉のタルタル。
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