コラム
夢プロジェクト「ワインプラネット」に込められた想いとは?
2022.03.18
2022年4月、Vino Hayashiの新企画「ワインプラネット」がスタートします。
これまでと違うのは、限られた国ではなく世界中からワインが集まってくること。
そんなワインプラネットのコンセプトについて、代表・林とディレクター・瀬戸に、広報担当の高住が直撃します。
社長が心待ちにしていたサービス
高住:早速ですが「ワインプラネット」とはどういったサービスなのでしょうか?
瀬戸(ディレクター):世界のワインと、世界を旅している気分を味わえるマガジンが毎月ご自宅に届く、サブスクリプション形式のサービスです。
林(社長):実はこの「ワインプラネット」は、私自身が長く待ち望んでいたサービスなんですよね。
高住:社長が待ち望んでいたサービス…詳しくお聞かせください。
林:イタリアワイン専門の輸入会社なので、イタリアについては他社に負けない自信があります。イタリアワイン通信講座やイタリアグリズモというサービスがその自信の表れですね。ただ、他の国については正直なところ経験が足りなくて。あるとき某大手ワイン輸入業者さんに私たちのサービスを紹介した上で「世界のワイン版を創ってください!」とお願いしたんですが、こんな手間の掛かることはできないとお断りされました(笑)。
イタリアワイン通信講座のテキスト。
瀬戸:コンテンツの制作はとっても手間が掛かりますからね。大手企業でも腰が引けるのに、小さな輸入会社なら尚更…。
林:そうなんです。だからこそ、私にとってはいつか実現したい長年の夢プロジェクトでした。これを「やりたいです!」と動き出してくれたのが瀬戸さんだったんですよね。それで、どういう形で創っていくのかと思ったら、自分たちで世界をカバーするのではなく小さな輸入会社さんを束ねる形で実現させると言うのです。素晴らしい発想の転換だと感心しましたね。
各エリアのスペシャリストがナビゲート
高住:輸入会社さんにどのような形で協力していただくのでしょうか?
瀬戸:「ワインプラネット」では毎月異なる国や地域のワインを特集します。数え切れないほどのエリアがあるので、私たちの力だけで網羅したくても限界があります。そこで、それぞれのエリアのスペシャリスト(輸入会社)さんに「ナビゲーター」という形でご協力いただくというわけです。
特集エリアのスペシャリストが各回のナビゲーターを務める。ワインプラネット創刊号(2022年4月)のナビゲーターは株式会社サザンクロス代表・檀原正広さん。
林:ワイン業界は横の繋がりも多くて、持ち寄りの試飲会なども開催されます。そういったところですでに関わりがあったり「ともだちの輪」的に広がっていったり、色んなご縁で繋がった輸入会社さんにお声掛けしました。各国・エリアを専門としている方々なので、もちろんワインのクオリティも保証済みです。
瀬戸:中には、お声掛けした際に手書きのメッセージを添えてサンプルワインを送ってきてくださる方もいらっしゃいました。そんな熱意あふれる方たちが惚れ込んだワインやエリアの魅力を自らの言葉で綴るって、ディレクターの私がワクワクしちゃってます。
「ワインをもっと身近なものにしたい」
高住:僕もワクワクしてきました! そもそもの部分なのですが、イタリアワイン専門の輸入会社がなぜ「世界」のワインをお届けするサービスを創ろうと思ったのですか?
瀬戸:「ワインの間口を広げるようなサービスを開発したい」という想いからです。育休でワインから少し離れていたとき、どうすればワインをもっと身近なものにできるのかを考えて掘り下げていて。答えは明白でした。私たちワイン業界の人間がワインを難しいものにしてしまっている節があるな、と。
高住:というと?
瀬戸:たとえば私が「ワインの仕事をしている」と周囲に話すと、幾度となく「カッコいい」とか「おしゃれ」と言われてきました。ワインが素敵な飲み物なのは紛れもない事実です。でも、そのたびに複雑な気持ちになってしまって。
高住:なるほど…たしかに僕も以前は「ワインの仕事っておしゃれ」と思っていましたし、ワイン業界に入る前には周囲にも言われました。
瀬戸:そうなんです、それが世間のイメージ。ワインがカッコいい飲み物、つまり悪い言い方かもしれませんが、ちょっと気取った飲み物と思われている以上、ワインを飲む人は増えていかないと。私たちワイン業界の人間たちがグラスを空に掲げながら「●●の香りが〜」とか「●●とのマリアージュが〜」と小難しい話をし続けているのもひとつの要因かもしれないと感じるんです。
高住:それを払拭したいと。
瀬戸:はい。なので「学習」ではなく、とっつきやすい「世界旅行」をコンセプトに据えてサービスを作りたいと考えたんです。産休が明けてすぐ社長に「新企画やりたいです」と直訴しました。
「世界を旅するように気楽にワインを楽しめるので、ワイン初心者にこそおすすめ。
林:「すぐにでも進めましょう!」と即答しました。すぐに打ち合わせが始まりましたね(笑)。完成した創刊号のマガジンを見て、ワインの間口を広げるにはうってつけのコンテンツだと率直に感じました。かといって、決してワイン好きの方をないがしろにしたわけではなくて。ワインのクオリティは非常に高いし、マガジンと一緒に楽しめる素晴らしいコンテンツに仕上がったと思います。
瀬戸:ワインプラネットでは、多くのお客様が初めて経験する国のワインもお届けすることになります。ただ、最初のワインが口に合わなかったら「その国のワインは美味しくない」という理解になってしまうんです。だからこそワインプラネットではクオリティワインをお届けしたいと考えて、妥協は一切なしのセレクトをしました。
ワインプラネット創刊号はニュージーランド特集。クオリティの確かなワインを厳選してお届け。
「ワインプラネット」の名に込められた想い
高住:最後に「ワインプラネット」というサービス名の由来を聞かせてください。
林:私が学生バックパッカー時代に使っていたガイドブック「lonely planet(ロンリープラネット)」にインスパイアされたものです。ここに世界各地のワイン産地を巡りたい!という想いも込めて、ワインプラネットとなりました。
高住:瀬戸さんの企画書に“丸くあたたかいワインの惑星”という表現がありました。これって、まさに今の世界に必要なものじゃないかと感じるんです。
瀬戸:企画を進めるにあたって「地球」「つながる」「想い」「愛情」といったキーワードが浮かんでいました。ワインは造る人の顔がみえる数少ないお酒のひとつです。ナビゲーターさんは各地のワインのスペシャリストですが、それ以上にその国への愛があります。美味しいワインだけを伝えたいわけではなくて、その国の風土や空気感、愛すべき国民性も一緒に伝えたいと考えてらっしゃいます。コロナウイルスとか、戦争とか…世界の状況が不安定な中で私たちができるのは、そういったあたたかい場を創り出すことなんだと確信しています。
林:自由に海外旅行ができる日を心待ちにしながら、私も「ワインプラネット」で予習しておきます。