VinoPedia
Frappato
フラッパート
ブドウの種別 | 黒 |
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歴史/概要/解説 | 歴史:1760年にシチリア南部のラグーサ県のヴィットーリアで初めてフラッパートに関する記載がなされたことから、起源はこの地であると考えられている。一方で、スペインから持ち込まれた説を主張するブドウ品種学者もいるが明白な根拠はない。 フラッパートという呼称は1909年にアントニオ・アメンドラ男爵がつけたと言われている。また、アメンドラ男爵は「優れた環境と良質なフラッパート種のおかげでヴィットーリアのワインは高く評価されるに至った」と記している。フラッパートは昔から、パワフルで荒いネロ・ダーヴォラのブレンド用の理想的な補助品種として重宝されてきた。1973年にチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアがDOCに承認され、ネロ・ダーヴォラを主体とすることが規定されたが、それ以前はフラッパートが主体として用いられていた。 昔はシラクーサでSurra(スッラ)と呼ばれ、カルタジローネではNero Capitano(ネロ・カピターノ)として知られていた。Frappatoの名前はおそらくFruttato(フルーティーの意)に由来していると考えられる。 最近のDNA解析によると、フラッパートとサンジョヴェーゼの親子関係が示唆され、フラッパートはチリエジョーロとカラブレーゼ・ディ・モンテヌォーヴォの孫品種にあたることが明らかになった。また、フラッパートとカラブリア州のガリオッポとは姉妹関係にある。 1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された。 房:房は1つか2つの岐肩を持った長めのピラミッド形で、果粒の密度が非常に高い。果粒の大きさは中サイズで、長球形。皮は蝋質の白い粉で覆われており、紫がかった青色。熟期はやや遅めで9月末~10月初め。果粒の密着度が高いことから、成熟した粒が非常に壊れやすく、カビに侵されやすい。 葉:大きさは中程度、五角形か腎臓形をしており、表面は無毛で濃い緑色。 外観:透明感のある明るいルビー色、濃淡は淡いものが多い。やや紫がかっているものもあるが、紫の色調はそれほど強くない。例外としてオレンジがかった淡いガーネットの色調の酸化熟成のニュアンスのあるものが一本だけ存在した(2015年のバリック熟成)。 |
栽培面積(ヘクタール) | 752 ha |
シノニム | Frappato Nero di Vittoria/Frappato di Vittoria/Frappatu/Surra/Nero Capitano |
原産地呼称 | DOC Vittoria/DOC Eloro/DOC Erice/DOC Alcamo/DOC Menfi/DOC Sicilia |
ワインの特徴 | フラッパートで造られた赤ワインはチェリー色で、イチゴなどのフルーティーな香り、特有のはっきりとしたスパイシーなニュアンスがある。ヘビーという印象からはほど遠く、フレッシュでジューシーなバランスが取れたワインとなる。ある程度の熟成も可能。フラッパートはワインの主体として使用される他に、ネロ・ダーヴォラ、ネレッロ・マスカレーゼ、ノチェーラ、時に白ブドウのインツォリア、カタッラットなどとブレンドされることもある。 |
香りの要素 | イチゴやラズベリー、チェリーなどの赤い果実とバラのようなお花の香りが印象的だった。フレッシュでみずみずしさを感じる状態から、ジャムのような状態、やや乾燥したニュアンスを感じるものまで幅広かった。ハーブやスパイスのニュアンスも感じられた。 |
Vino Hayashi サジェスチョン (アッビナメント) |
Spaghetti alla Norma(ノルマ風スパゲッティ)/Formaggi semi stagionati(中熟成タイプのチーズ)/Grigliate miste di carne(グリル肉の盛り合わせ)/Agnello al forno(仔羊のオーブン焼き)/Braciolette di pesce spada(カジキマグロのロール焼き)/Pasta con le sarde(イワシのパスタ)/Pesce spada a ghiotta(カジキマグロの煮込み)/Caciocavallo (カチョカヴァッロ・チーズ)。 鴨の煮込み/肉と野菜のクスクス/チーズバーガー/ハンバーガー/マッサマンカレー/神戸牛のグリル/チリコンカルネ/アマトリチャーナ・リガトーニ/ボローニャ風スパゲッティ/カルパッチョ/マグロ料理 /ピザ /チーズ/ サラミ。 |
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