VinoPedia
Passerina
パッセリーナ
ブドウの種別 | 白 |
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歴史/概要/解説 | 歴史:パッセリーナは主にイタリア中部のマルケ州南部、アブルッツォ州で栽培されている土着の品種である。その確かな起源はわかっていないものの、トレッビアーノ(Trebbiano Giallo)の品種系統に属するといわれている。また、ビアンカーメ(Baincame)の突然変異種という説もある。名前は、スズメ(Passera)がブドウの果肉をつつく様子に由来するといわれる。 優れた生産性を持っており、古くから農民は品質と豊富な収量を保証してくれるこの品種を好んだという。実際地方では、カッチャデビティ(Cacciadebiti)やパーガデビティ(Pagadebiti)、ウーヴァ・ドーロ(Uva d'Oro)などと呼ばれ重宝されてきた。生産性に長けている理由として、ブドウ自体の生産力もさることながら、悪天候、病気、害虫への耐性が優れていることが挙げられる。 1960年以降、マルケ州やアブルッツォ州においても多くの生産者が非効率な土着品種の栽培を放棄する流れがあり、トレッビアーノ・トスカーノや外来品種(シャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンなど)に畑が植え替えられる状況があった。パッセリーナもその影響下にあったものの他の土着品種と比べ強い品種であったことや、グイド・コッチ・グリーフォニ氏※3などの地元生産者の啓蒙などもあり、少ないながらも生産が継続された土着品種といえる。 最初にパッセリーナを明示した原産地呼称は1975年登録のFalerio dei Colli Ascolani(現Falerio)とされる。 房:果房の大きさはやや大きめ、形状はやや長めの円錐形でコンパクトな形状。果粒の大きさは中程度かやや大きめで楕円形をしている。皮は厚みがあり、黄色がかった緑色。9月下旬に成熟する。 葉:大きさは中程度、五角形で、五裂している。表面は緑色。 外観:少しグリーンがかった中程度~やや濃いレモンイエロー色(麦わら色)を基本とする。粘性は中程度のものが多い。 |
栽培面積(ヘクタール) | 894 ha |
シノニム | Cacciadebiti/Caccione/Camplese/Campolese/Campolese Scenciato/Empibotte/Pagadebiti/Pagadebito/Pagadebito Gentile/Passerina Bastarda/Passerino/Scacciadebiti/Scacciadebito/Uva d'Oro/Uva Fermano/Uva Scenciata/Uva Sciolta/Uva Spampanata/Trebbiano di Teramo/Trebbiano Piccolo di Città S. Angelo |
原産地呼称 | DOCG Offida/DOC Abruzzo/DOC Controguerra/DOC Terre di Offida/DOC Falerio |
Vino Hayashi アナライズ |
糖度 6.58% 酸度 0.86% 塩分濃度 0.06% ※Vino Hayashiが試飲した14本の平均値 |
ワインの特徴 | ワインは白ワインで、フレッシュでフルーティなタイプが一般的である。同地区のペコリーノと比べデリケートでタンニン分も少なくしっかりした酸が特徴で、熟成させずに若いうちに嗜まれる。混醸で使用されることが多かったが、近年は単一品種で造られることも増えている。またオッフィーダ地区ではパッセリーナ主体のスパークリングや甘口ワインの生産も盛んである。 |
香りの要素 | 果実とお花の香りが中心となる。果実はレモンやグレープフルーツのような柑橘類から、リンゴ、洋ナシ、かりん、桃、アプリコットなど、幅広い。お花は白い花、アカシア、ジャスミン、エルダーフラワーなど、一部に黄色の花を連想させるものもあった。またハーブ(グリーン)の香りは、フレッシュというより少し乾燥した印象もあった。鉱物を思わせるミネラルの香りも存在した。 |
Vino Hayashi サジェスチョン (アッビナメント) |
Pesce Spada alla Griglia(メカジキのグリル)/Frutti di Mare(魚介の盛合わせ)。 白身肉のグリル/オリーヴェ・アスコラーネ/生ハムやサラミなど。 |
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