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Rossese

ロッセーゼ

ロッセーゼ (Rossese)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:ロッセーゼは、主にリグーリア州西部のインペリア県で栽培されている土着の黒ブドウ品種である。
その起源は定かではないが、ギリシャ人やエトゥルリア人によるブドウ植樹・栽培の起源説、そのほか土地柄や歴史的な背景からリグーリア州と接する隣国フランスとの関連を指摘する研究者も少なくない。
10世紀から続くジェノヴァの名門ドリア家は、フランス軍との行軍中にアルプス、南フランスでこのブドウとワインの価値を知り、自らが所有するリグーリア州ドルチェアックアの畑にこの品種を植えたという。また中世には海戦中にドリア家従軍の船員の士気を高めるためにそのワインを振る舞ったともいわれる。
1700年代の終わりにナポレオン・ボナパルト将軍がドリア侯爵の城を訪ねた際には、ドリア家はロッセーゼのワインで彼をもてなした。ナポレオンは大いに感激し、パリまで樽を運ばせたとの逸話も伝えられている。 ロッセーゼの名前の由来には諸説あり、ビアンケットやヴェルデカといった品種同様にその色合いから名付けられたという説。また、岩(ROCCE)の多い土壌の特性からROCCESEとなまってロッセーゼに至ったという説もある。
シノニムは多くはないが、プロヴァンスのティブランと同義である。ティブランはフランスの品種カタログには古代ローマ人によってフランスへ持ち込まれたとの記述も見られる。近年は、その需要からインペリア県外での栽培も増加傾向にある。1970年にイタリア全国ブドウ品種登録書に登録された。

房:果房は中程度、三角錐または円錐形でややコンパクトな形状。果粒の大きさは中程度かやや小さめでやや楕円形の形をしている。皮は中程度の厚さで、青みがかった深い紫色をしている。通常10月中旬から下旬に成熟する。

葉:大きさは非常に大きく、裂は深く5つに分かれている。表面は緑色で光沢がある。

外観:淡く明るいルビー色からガーネット色。ヴィンテージから4-5年経っているものは、ほぼガーネット色で少しレンガ色がかっているものも見受けられた。粘性は中程度。
栽培面積(ヘクタール) 319 ha
シノニム Tibouren/Rossese di Dolceacqua
原産地呼称 DOC Riviera Ligure di Ponente/DOC Rossese di Dolceacqua
Vino Hayashi
アナライズ
糖度 6.69%
酸度 0.66%
塩分濃度 0.08%
※Vino Hayashiが試飲した11本の平均値
ワインの特徴 ワインは赤ワインで、一般的に明るいルビーの色調、赤系ベリーやチェリーなどのフルーティーな香りをもつ。リグーリア海岸由来のミネラルも豊かで、タンニンはそれほど強調的ではない。中期から長期に熟成が可能なタイプもあるが、数年以内にデリケートで気品ある香りと果実味を楽しむ造りが多い傾向にある。
香りの要素 赤い果実の香りが中心にあり、レッドカラント、クランベリー、ローズヒップ、レッドチェリー、ラズベリー、イチゴが感じられる。繊細なバラやスミレのようなお花の香りがあるが、ときに果実の香りを勝ることもある。またペッパーを思わせるスパイス香があり、一部にハーブや野菜、植物のような香りが感じられた。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Coniglio con Olive Taggiasche(ウサギのタッジャスカオリーブ和え)/Frutti di Mare(魚介の盛合わせ)。
野菜やキノコベースのリゾット/ハム・サラミ類/フレッシュチーズなど。
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