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Sagrantino
サグランティーノ
ブドウの種別 | 黒 |
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歴史/概要/解説 | 歴史:サグランティーノは、ウンブリア州ペルージャ県に位置する小さな町モンテファルコの伝統的なブドウ品種である。1世紀の古代ローマ詩人マルツィアーレ氏のエピグラム(短い詩)にはモンテファルコのワインが引用されており、また同時代の政治家大プリニウス氏の名作「博物誌」にはメヴァーニア(現在のべヴァーニャとモンテファルコの間)で栽培されていたUva Hirtiola(ウーヴァ・イルツィーオラ)について書かれている。そのブドウ品種の正体において数々の議論が生まれ、1596年にブドウ品種学者アンドレア・バッチ氏はウーヴァ・イルツィーオラと白ブドウ品種ウーヴァ・パッセリーナが同じであると明言した。一方で、近世の考古学者カルロ・ピエトランジェリ氏はウーヴァ・イルツィーオラがサグランティーノである可能性を唱えた。 19世紀の終わりに、モンテファルコの土着品種であるサグランティーノのワインが世に出回り始める。この品種名は過去の資料に記録がないため正確な名前の由来は不明であるが、現地の高齢者の方々の話によると、サグランティーノ種は昔から存在していたことは明らかであり、SagrantinoはSacramenti(秘跡の意)に由来しているという説がある。このブドウ品種は修道士により栽培され、ミサ用のパッシートワインに使用されていた。また、農民がクリスマスや復活祭のような重要な祭典の際に飲んでいたワインだとされている。 この品種には粘土が多く含まれている柔らかさが中程度の土壌、日当たりの良い丘陵地帯が適しており、寒さやカビに強いため、パッシートワイン向きであり、長年渡って主に甘口ワインが造られてきた。それゆえ、1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された後、1977年にSagrantino PassitoのDOCが先に認められており、数年後に辛口のDOCも認定された。初めてサグランティーノ種の可能性に着目した熱心な生産者アルナルド・カプライ氏の功績により、90年代よりサグランティーノは次第に人気が高まり、消費者の注目を浴びるようになった。1992年に甘口と辛口のサグランティーノが共にDOCGに昇格している。 房:果房のサイズは中程度のものと小型のものと2つのタイプがあり、円筒形か円筒・円錐形となる。果粒は中程度の大きさの球体形、密着度は中程度で、岐肩をもつ。皮がやや厚く、青みがかった黒色で、表面が蠟質の白い粉で覆われている。成熟は10月の前半。 葉:葉の大きさは中程度で、三角形で三裂しているか五角形で五裂している2つのタイプがある。葉の表側は緑色。 |
栽培面積(ヘクタール) | 994 ha(2010) |
シノニム | 不明 |
原産地呼称 | DOCG Montefalco Sagrantino/DOCG Montefalco Sagrantino |
ワインの特徴 | タンニンは非常に強くギシギシと残るものもあり、タンニンからくる苦味が余韻に残る場合もある。しかし、若いものの中でも、果実味と酸と全体のバランスが良いものはタンニンが心地よく感じられる。また、適正に熟成を経ると偉大なワインであるポテンシャルを発揮する。経年変化をイメージして、どれだけ熟成に耐えうるスタイルに仕上げられるかが決め手となる品種である。熟成のピークは8~10年程度か。 |
香りの要素 | 香りは黒系果実、赤系果実、花、カカオ、ミント、シガーやペッパー、甘草、クローブなどのスパイス等複雑で多様であるが、比較的共通している傾向。 |
Vino Hayashi サジェスチョン (アッビナメント) |
牛肉のステーキ/牛肉の赤ワイン煮込み/すき焼き/四川風麻婆豆腐。 Cacciagione(ジビエ)/Stufato di Cinghiale(イノシシ肉の煮込み)/Arrosto di Agnello(ラムのロースト)/Carne rossa(赤身の肉)/Formaggi stagionati( 熟 成 チ ー ズ )/Piccione Arrosto(鳩のロースト)/Tagliatelle al Ragù di Prataiolo con Tartufo Nero(キノコのラグーのタリアテッレ黒トリュフ添え)/Torta di Testo(サルシッチャとハーブを詰めたピアディーナ) |