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Trebbiano Spoletino

トレッビアーノ・スポレティーノ

トレッビアーノ・スポレティーノ(Trebbiano Spoletino)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 トレッビアーノ・スポレティーノはウンブリア州の土着品種であるが、その名前とは裏腹に、起源について確かな情報はない。スポレートはその発祥の地ではなく、最も普及し、現在も広く栽培されている土地として選ばれただけとされている。トレッビアーノ・スポレティーノについての初出はフランコリーニ氏によるもので、1 8 7 8 年の『Bollettini Ampelografici』に記述がある。

トレッビアーノ・スポレティーノは、イタリア中部に存在する他のトレッビアーノ品種とは名前以外の関連性はない。他のトレッビアーノ品種がラテン語で農場を意味する「Trebula」に由来するのとは異なり、ペルージャ州スポレートの近くにある「Trevi トレーヴィ」の町の名に由来していると考えられている。表面は濃い緑色で、蝋粉に覆われている。

トレッビアーノという名前のつく品種は、実際にはそれぞれ異なる品種であり、多くの場合遺伝的な関係性はない。 歴史的にスポレートやモンテファルコの地域に存在する古代のブドウ品種とされるが、十数年ほど前まではほとんど注目されることはなかった。各地域で土着品種を見直す風潮が高まったことからトレッビアーノ・スポレティーノも十数年ほど前に再発見され、現在ではこの地域のほとんどの生産者が手掛けるようになった。栽培面積はまだ少ないが、この品種への関心は着実に高まっている。品種の特徴としては、果実がゆっくりと糖分を蓄積し、非常に高い酸度がゆっくりと下がっていくことから晩熟である。1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された。

葉っぱ:サイズは中程度、丸みを帯びた五角形、五裂か三裂、あるいは切れ込みはない、わずかに波打っていて光沢があり滑らか。

房/果粒:果房が中くらい大きさの円筒円すい形あるいは円すいピラミッド形で、コンパクトで細長い(~33cm)。岐肩が一つある場合がある。果粒は中~大の大きさで球体。果皮は黒みがかった紺色をしており、濃く丈夫で、しっかりと通常9月中旬に熟成。

外観:グリーンがかったイエロー色で、濃淡は中程度~やや濃い。黄金色を帯びているものもある。今回のサンプルはマセラシオン(果皮とともに発酵)を施したものも多く、その場合は例外なく琥珀色を基調とした色調なっていた。全体を並べて見ても、他品種と比べ濃いのがわかる。粘性はやや強い。
栽培面積(ヘクタール) 200ha(2010)
シノニム Spoletino/Trebbiano di Spoleto
原産地呼称 DOC Spoleto/DOC Montefalco/DOC Assisi/DOC Colli del Trasimeno/Trasimeno
Vino Hayashi
アナライズ
糖度 6.91%
酸度 0.07%
塩分濃度 0.61%
※Vino Hayashiが試飲した7本の平均値
ワインの特徴 アタックはやや強く、辛口の造りでも果実の成熟度の高さに由来するまろやかさや厚みがある。酸はやや強く、アルコールもやや高い。滑らかなテクスチャーで、とろみを感じるものもあった。アフターには塩っぽいミネラル感がある。果実味は適度に凝縮し、酸とアルコールがボディを支え、しっかりとした骨格、十分な飲みごたえがある。マセラシオンしたものは、果皮や種子の影響を強く受けるため、はっきりとタンニンを感じるまろやかで力強い味わいであった。
香りの要素 品種の香りとしてはニュートラルであるようだ。レモンやグレープフルーツなどの柑橘類やハーブのような爽やかな香りを持つワインもあったが、全体的には、マルメロ、洋ナシ、桃、ネクタリン、アプリコットなどの核果類の熟した香りが主体であった。オレガノやセージなどのハーブや、お花、アーモンド、火打ち石のトーンもある。やや熟成したものには、はちみつやペトロールのニュアンスが感じられた。マセラシオンしたものは、果実、お花、ハーブの香りは乾燥し、スパイスや熟成香なども発展しているため、品種の香りとは切り離して捉える必要がある。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Strozzapreti con asparagi, pomodorino e pancetta(アスパラガス、チェリートマト、パンチェッタのストロッツァプレティ)/Tagliatelle al tartufo(トリュフのタリアテッレ)/Zuppa di orzo(大麦のスープ)/Scampi grigliat(手長エビのグリル)
その他白身肉の料理など。

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