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Vernaccia di San Gimignano

ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ

ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ (Vernaccia di San Gimignano)
                                                                                                                                                                                                                                                                       
ブドウの種別
歴史/概要/解説 歴史:ヴェルナッチャはトスカーナ州のサン・ジミニャーノの土着品種であり、名前の由来はラテン語のvernaculus(原産地の意)だと言われている。また、1200年代初頭リグーリア州の苗木業者であるVieri De’Bardi(ヴィエーリ・デ・バルディ)がサン・ジミニャーノにこの品種を植えたのが起源という説もあり、名前は彼の出身地チンクエ・テッレのVernazza村に由来するという伝えもある。他にもスペインから、あるいはギリシャから持ち込まれたという説もあるが、真相は明らかではない。
1276年にシエナ県の古い小さな町の関税法の書類にヴェルナッチャで造られたワインについて初めて記録されており、それは大変値打ちのあるものとされていた。昔から人気のあるワインで、貴族の結婚式などにおいて使われることも多く、またローマ法王パウルス3世のワイン倉庫番サンテ・ランチェリオ氏は、法王のためにフィアスコボトル80本分のヴェルナッチャを発注しこのワインを称賛した。17世紀の学者ヴィンチェンツォ・コッピ氏は、『サン・ジミニャーノの一年間』という著書の中で「ヴェルナッチャはイタリアの白ワインの中でもっともデリケートで素晴らしいワイン」と記述している。
19世紀から20世紀半ばまで同地域で生産されるキャンティに押されて減少傾向にあり、トスカーナではカナイオーロ・ビアンコと勘違いされることもあった。しかし、1993年にDOCGに昇格したことで赤ワインで有名な州の唯一のDOCG白ワインとなり、そ の 存 在をアピールすることとなった 。
1937年に初めて品種学者デ・アスティス氏によりヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノはヴェルナッチャ・ディ・オリスターノや他のヴェルナッチャとは全く異なる品種であると区別されたが、その後の研究においてこの説は立証された。2010年よりヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノDOCG、シエナ地方行政、シエナ大学の協力でヴェルナッチャの遺伝子鑑定を行った。その結果、スペイン品種よりフィアーノや他のカンパーニア品種の方に遺伝的に近いということがわかった。1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録された。

房:房は大きめで、長いピラミッド形、やや密着型で、一つの岐肩を持つこともある。果粒は中程度の大きさで、円盤型、規則的に生る。果皮の厚さは中程度で、蠟質の白い粉で覆われている。黄色がかった緑色をしているが、陽が強くあたったところは琥珀色になる。収穫は9月下旬か10月の頭。

葉:大きさは中程度で、丸みをおびているか五角形で、三裂している。葉の表は無毛で、光沢のない濃い緑色。葉の裏は薄緑色で、葉脈は蜘蛛の糸を思わせるような形状。

外観:淡い麦わら色ベース。若いものには少々グリーンがかった輝きがみられるものもある。熟成の長いリゼルヴァ(特に樽熟成させたもの)は黄金がかった輝きが顕著になった。粘性は中程度からやや高めのものが多かった。
栽培面積(ヘクタール) 512 ha
シノニム Vernaccia di Toscana/Zuccaia
原産地呼称 DOCG Vernaccia di San Gimignano/DOC San Gimignano
ワインの特徴 薄い麦わら色がかった黄色。花やフルーツの香りに加え、よく開いたものにはドライフルーツやアーモンドのような香りも感じられる。適度なボディーやアルコール感があり、きれいな酸味がバランスを形成する。中程度の熟成も可能。
香りの要素 全体的には穏やかな印象だった。フレッシュさを活かした若いヴィンテージのものは新鮮な柑橘や青りんごの香りが主体で、白や黄の花々、そして爽やかなハーブの香りがあった。いくつかには石灰や貝殻のようなミネラル香も感じられた。熟成によってフルーツの香りは甘さを増し、はちみつのトーンを帯び、ミネラル香は火打ち石のニュアンスを増すように感じた。
Vino Hayashi
サジェスチョン
(アッビナメント)
Coniglio alla Vernaccia(ウサギのヴェルナッチャ煮込み)/Costolette d'agnello al battuto d'aglio(ニンニク風味のラムチョップ)/Involtini di vitello(仔牛のインヴォルティーニ)/Arista di maiale(豚肉のアリスタ)/Ribollita(リボッリータ)/Pesce spada arricchito da erbe e spezie(ハーブとスパイスをきかせたメカジキ)。
【熟成タイプのVernaccia】→Paste o risotti con funghi/tartufi neri(キノコや黒トリュフのパスタやリゾット)/Zuppe di cipolle(オニオンスープ)/Lumache arrosto all'italiana(ローストカタツムリ)/Primi con la zucca(かぼちゃを使ったプリモピアット)/Terrine di selvaggina(ジビエのテリーヌ)/Fondute di formaggio(チーズフォンデュ)。
サラミ/チーズ/寿司/刺身/タラ、ヒメジ、タコ、ホタテを使った魚料理/プリモピアット全般/白身肉の料理。
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